スポーツ指導者に必要な生理学と運動生理学の知識 【目次】

Ⅰ部 スポーツ指導者に必要な生理機能の知識

1章 身体運動を発現する骨格筋の機能と適応  内藤 久士

 1.骨格筋の形態と収縮のメカニズム

  1.骨格筋の外観と働き

   (1)骨格筋と骨・関節

   (2)筋の分類

   (3)筋線維の走行方向と筋の働き

   (4)テコ作用:みかけの筋力と真の筋力

  2.骨格筋の微細構造

  3.骨格筋収縮のメカニズム

   (1)運動単位

   (2)興奮収縮連関

   (3)滑走説

   (4)単収縮と強縮

 2.筋運動と筋線維タイプ

  1.筋運動のエネルギーとその供給

   (1)筋収縮の直接のエネルギ−=ATP

   (2)筋収縮のエネルギー供給システム

   (3)エネルギー供給系とスポーツ競技

  2.筋線維タイプとその特性

   (1)速筋(線維)と遅筋(線維)

   (2)速筋線維と遅筋線維の特性

   (3)筋線維と運動単位のタイプ

   (4)筋線維組成とスポ−ツ競技特性

 3.ヒト骨格筋の筋力発揮特性

  1.筋力発揮に影響を与える要因

   (1)筋の横断面積と固有筋力

   (2)筋の初期長と関節角度

   (3)動員される運動単位の数とタイプ

   (4)生理的限界と心理的限界

  2.筋活動の種類と特性

   (1)静的収縮と動的収縮

   (2)短縮性収縮と伸張性収縮

  3.力−速度関係と筋パワー

  4.運動の機械的効率

  5.筋疲労

  6.筋力と筋温

 4.骨格筋の適応と変化

  1.筋収縮の様式から見た筋力トレ−ニングの種類

  2.筋力トレ−ニングによる効果の生理学的背景

   (1)筋力の増大

   (2)筋持久力の増大

   (3)筋パワーの増大

  3.トレーニングと筋線維タイプの移行

  4.筋線維タイプ別に見たトレ−ニングの効果

  5.骨格筋機能の加齢に伴う変化

   (1)発育に伴う変化

   (2)老化に伴う変化

  6.骨格筋機能の性差

   (1)筋力・筋持久力・筋パワー

   (2)筋線維組成

  7.遅発性筋痛

2章 運動を制御する神経系の機能と適応

 1.神経系の生理学的基礎  内田 直

  1.中枢神経と末梢神経

   (1)中枢神経系

   (2)末梢神経系

  2.神経細胞の活動

   (1)神経細胞

   (2)イオンチャンネル

   (3)静止膜電位

   (4)活動電位の発生

   (5)興奮の伝導

   (6)シナプスと神経伝達物質

 2.運動と神経系  彼末 一之

  1.運動に関係する脳部位

  2.運動神経と運動単位

   (1)運動ニューロンと筋肉の接続

  3.脊髄

   (1)筋紡錘と腱器官

   (2)伸張反射とγ系

   (3)さらに複雑な反射

  4.脳 幹

   (1) 姿勢反射

   (2)歩行

   (3) 脳幹によるその他の反射

  5.大脳皮質

   (1)一次運動野

   (2)他の運動関連皮質部位の役割

  6.運動学習と自動運動(大脳基底核と小脳)

   (1)大脳基底核

   (2)小脳

  7.運動関連脳部位間の接続

 3.トレーニングと神経系  大築 立志

  1.スキルトレーニングと神経系

  2.筋力トレーニングと神経系

  3.持久力トレーニングと神経系

  4.運動が脳の知的機能に与える効果

  5.運動が自律神経機能に与える効果

  6.スキルトレーニングの基本原則

   (1)反復

   (2)動機付け

   (3)フィードバック

   (4)オーバーラーニング

   (5)集中・分散練習とレミニッセンス

   (6)転移

   (7)メンタルプラクティス

   (8)休養

3章 運動を制御する内分泌の機能と適応  井澤 鉄也

  1.内分泌系の生理学的基礎

   (1)ホルモンとは

   (2)ホルモンの合成

   (3)ホルモンの作用機序:標的細胞におけるホルモンの情報伝達

   (4)ホルモンのフィードバック調節

  2.分泌器官の種類と各種ホルモンの生理作用

   (1)視床下部と下垂体のホルモン

   (2)甲状腺

   (3)膵臓

   (4)副腎

   (5)生殖腺

  3.運動時のホルモン分泌変化と生理作用

   (1)運動による血中ホルモン濃度の変化

   (2)運動時のホルモン作用

   (3)ホルモン受容体の変化

  4.女性ホルモンと運動

   (1)運動性無月経

4章 生体を防御する免疫系の機能と適応  鈴木 克彦

  1.免疫系の生理学的基礎

   (1)免疫と

   (2)特異免疫(獲得免疫)と非特異免疫(自然免疫)

   (3)免疫と病気

  2.運動と免疫系

   (1)運動と感染防御における物理的バリア

   (2)スポーツ選手に多い感染症

   (3)運動と非特異的防御機構

   (4)運動と体液性免疫

   (5)運動と細胞性免疫

   (6)運動とサイトカイン

  3.免疫系の変動と病態・予防

   (1)オーバートレーニング症候群

   (2)休養によるストレス予防

   (3)栄養によるストレス予防

5章 運動を持続する呼吸循環系の機能と適応

 1.呼吸循環系の生理学的基礎  林 直亨

  1.呼吸について

   (1)呼吸の機能と役割

   (2)肺での外呼吸の仕組み

   (3)肺容量の分画

   (4)肺胞でのガス交換

   (5)呼吸運動の調節

   (6)O2, CO2の運搬

   (7)ボーア効果

  2.循環系

   (1)循環系の役割

   (2)循環系の構成

   (3)心臓の構造と電気的変化

   (4)心電図

   (5)血管の構造

   (6)動脈から静脈に至る様々な血管

   (7)血圧とは

   (8)循環系の調節

   (9)姿勢変化時の循環系の調節

   (10)脳循環と冠動脈の特徴

 2.運動時の呼吸循環系応答  家光 素行

  1.呼吸機能と酸素摂取量(Vo2)

  2.循環機能と酸素摂取量(Vo2)

  3.血流再分配

  4.血圧

  5.呼吸商

  6.酸素借と酸素負債

  7.発育に伴う運動時の呼吸循環応答の変化

  8.加齢に伴う運動時の呼吸循環応答の変化

 3.運動トレーニングによる呼吸循環系適応  家光 素行

  1.トレーニングによる呼吸器の適応

  2.トレーニングによる心臓の適応

  3.スポーツ心臓と病的肥大心の違い

  4.トレーニングによる血管の適応

  5.トレーニングによる血流変化

  6.高齢期のトレーニングによる呼吸循環系適応

Ⅱ部 スポーツ指導者に必要な健康・体力や運動実践の知識

6章 健康と運動  田畑 泉

  1.健康と身体活動・運動

   (1)運動・身体活動・生活活動

   (2)生活習慣病発症予防に必要な身体活動量・運動量

   (3)身体活動量・運動量の指標:エクササイズ

   (4)エクササイズガイド2006の特徴

   (5)体力と健康との関係

   (6)メタボリックシンドローム解消に必要な運動量

  2.運動・トレーニングと健康

   (1)高い強度の運動トレーニングが骨格筋のGLUT4濃度に与える影響

   (2)PGC-1α

   (3)トレーニングとトレーニング効果に関する分子生物学的モデル

7章 体力の理解  北川 薫

  1.体力の定義

   (1)わが国での体力の理解

   (2)諸外国での体力の理解

   (3)国際体力標準化委員会

   (4)まとめ:体力の定義と変遷

  2.体力の測定

   (1)体力テストの考え方

   (2)新体力テスト(文部科学省)

   (3)生理学的テスト

8章 体力トレーニングの理論と実際  岡田 純一

  1.トレーニングの原理・原則

   (1)トレーニングとは

   (2)トレーニングの原理・原則

  2.体力トレーニングの方法

   (1)レジスタンストレーニング

   (2)持久系トレーニング

9章 運動と水分摂取  村岡 功

  1.水の一般作用と体液

  2.水の出納と体温調節

   (1)水の出納

   (2)体温調節

  3.運動時の発汗量と体温上昇

  4.熱中症と環境要因

  5.高温環境と競技パフォーマンス

  6.水吸収に関わる要因と水分補給法

   (1)水吸収に関わる要因

   (2)推奨される水分摂取法

10章 スポーツ現場での外傷・障害と応急処置  広瀬 統一

  1.スポーツ活動時に起こる外傷・障害

   (1)スポーツ外傷・障害の区別

   (2)中学・高校で好発する外傷・障害

   (3)外傷・障害が生じる原因(内的要因、外的要因、トレーニング要因)

  2.傷害受傷後から競技復帰(運動開始)までの流れ

   (1)メディカルリハビリテーションとアスレティックリハビリテーション

   (2)スポーツ活動復帰過程における「リスク管理」と「効率化」

  3.傷害受傷時の応急処置

   (1)緊急対応方策(エマージェンシープラン)の作成

   (2)スポーツ外傷受傷時の対応

11章 スポーツとドーピング  赤間 高雄

  1.ドーピングとドーピング防止活動の歴史

  2.ドーピング防止規則とドーピングの定義

  3.ドーピング禁止物質・禁止方法と治療目的使用

   (1)WADA規程禁止表国際基準

   (2)主な禁止物質・禁止方法

    1)蛋白同化薬

    2)ペプチドホルモン、成長因子および関連物質

    3)ベータ2作用薬

    4)ホルモンおよび代謝の調節薬

    5)利尿薬と他の隠蔽薬

    6)酸素運搬能の強化

    7)化学的・物理的操作

    8)興奮薬

    9)糖質コルチコイド

   (3)治療目的使用

  4.ドーピング・コントロール