新・スポーツ生理学

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新・スポーツ生理学

(book0050)

体育・スポーツ・健康科学テキストブックシリーズ

編著者

村岡 功 早稲田大学スポーツ科学学術院 教授

著者

伊藤静夫 日本体育協会スポーツ科学研究室
内田 直 早稲田大学スポーツ科学学術院 教授
内丸 仁 仙台大学体育学部 准教授
大築立志 東京大学名誉教授
大森一伸 駿河台大学現代文化学部 教授
奥津光晴 名古屋市立大学大学院 システム自然科学研究科 講師
彼末一之 早稲田大学スポーツ科学学術院 教授
川上泰雄 早稲田大学スポーツ科学学術院 教授
杉浦克己 立教大学コミュニティ福祉学部スポーツウエルネス学科 教授
高橋英幸 国立スポーツ科学センタースポーツ科学研究部 副主任研究員
田口素子 早稲田大学スポーツ科学学術院 教授
鳥居 俊 早稲田大学スポーツ科学学術院 准教授
長澤純一 電気通信大学大学院情報理工学研究科 准教授
難波 聡 埼玉医科大学産科婦人科 講師
能勢 博 信州大学大学院医学系研究科・疾患予防医科学系専攻 教授
八田秀雄 東京大学大学院総合文化研究科身体運動科学研究室 教授
林 直亨 東京工業大学社会理工学研究科 教授
福 典之 順天堂大学大学大学院スポーツ健康科学研究科 准教授
山中 亮 国立スポーツ科学センタースポーツ科学研究部 契約研究員

書籍データ

【判型】 B5
【ページ数】 244頁
【図表】 図159 表34
【発行日】 2015年5月刊行

目次はこちらからご覧ください

はじめに

この度、新・スポーツ生理学を刊行する運びとなりました。親学問である生理学と異なるのは、スポーツ生理学や運動生理学は、おもに動的(スポーツや運動)状態での生命現象を対象としていることです。つまり、一過性のスポーツや運動に対する生体の応答と、規則的なスポーツ活動や身体活動による生体の適応を明らかにする学問であると言えます。それでは、スポーツ生理学と運動生理学に違いはあるのでしょうか。このことは以前からもしばしば問われてきた問題ですが、取り扱う内容が運動なのか競技スポーツなのかにあるとも言われています。しかし、健康スポーツが一般化している現在、この区分は必ずしも明瞭ではありません。

編著者は、運動生理学では骨格筋や心臓と言ったように臓器を軸として論を展開するのに対して、スポーツ生理学では、短距離種目や長距離種目と言ったようにスポーツ(競技)種目を軸に論を展開することにあると考えています。2001年に刊行されたスポーツ生理学(青木純一郎・佐藤 佑・村岡 功編著、市村出版)の「はじめに」にも、「スポーツ生理学では、運動生理学の知識を活用して、競技者をトレーニングし、いかに競技力を向上させるかが中心的課題となること、そして、呼吸循環系の働きはエネルギー出力能として、神経系や筋系の働きは神経筋協調能として捉え、これらに心理的要因が加わって、競技力を決定する三つの要因が構成されること、したがって、スポーツ生理学の講義では、競技種目別にそれぞれの競技特性の運動生理学的理解が深められなければならない」と述べられています。

本書でもこの考えを踏襲しながら、内容の刷新とともに最新の知見に基づいてほぼ全面的に書き改め、新しい視点に立ってスポーツ生理学を展開しようとしたものです。新たに取り上げた項目には、スポーツと体力、スポーツと遺伝子、スポーツと環境、生体リズムとスポーツ、スポーツと減量および体重調節、スポーツとディトレーニング、スポーツと酸化ストレス、女性アスリートにおけるスポーツ医学的諸問題、スポーツとドーピンがあり、一方、スポーツとスキル、スポーツとエネルギー代謝、スポーツと栄養およびサプリメント、スポーツと水分摂取、スポーツと体力トレーニング、スポーツとウオームアップおよびクールダウン、スポーツと疲労、スポーツとオーバートレーニングについては引き続き取り上げることにしました。また、スポーツと骨格筋機能・脳機能・呼吸循環機能を新たに加え、競技種目別によるトレーニングの効果を中心にまとめています。

このように、本書はスポーツ生理学を学習する上で重要な項目をできるだけ網羅するように努めるとともに、スポーツ科学を学ぼうとする学生やスポーツ選手およびスポーツ指導者にとって有益なものとなるように、それぞれの分野で活躍している第一人者に執筆をお願いしました。読者の皆さんには、スポーツ生理学に関する最新の情報を得るために、本書を積極的に活用して戴くことを願っています。

前書「スポーツ生理学」の出版を手がけられた恩師の故・青木純一郎先生に、感謝を申し上げますとともに本書を捧げます。

2015年4月
編者者 村岡 功

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