アスリート・コーチ・トレーナーのためのトレーニング科学(仮題) ~トレーニングに普遍的な正解はない~

book0064

【近刊】アスリート・コーチ・トレーナーのためのトレーニング科学(仮題) ~トレーニングに普遍的な正解はない~

(book0064)

体育・スポーツ・健康科学テキストブックシリーズ

著者

山本 正嘉

書籍データ

【発行日】 2020年11月
【ページ数】180
【図表】185

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はじめに

 「科学的なトレーニング」という言葉がしばしば使われます.響きがよいために,意味が曖昧なまま,無造作に使われすぎているように思います.そして,実践者である選手・コーチ・トレーナーも,その支援者である研究者も,この言葉に振り回されているように感じます.
改めて,科学的なトレーニングとは何でしょうか? 私は体育大学でトレーニング科学という授業を担当しています.学生たちにこの質問をすると「科学的に効果のあることが証明された方法で行うこと」という答えが多く返ってきます.この答えは一面では正しいのですが,抜け落ちている大切なことがあります.
それは,科学は普遍性を求めるために個別性を切り捨ててしまう性質がある,ということです.科学的に効果の証明されたトレーニング法とは,平均値的には正解であっても,個人にとっては必ずしも正解ではありません.特に,レベルの高いアスリートほどそう言えます.
アスリートやコーチは,一般的な正解は頭に置いた上で,自分の個別性に合致する独自の答えを見いださなければなりません.研究者の側でも,その点をきちんと実践者に伝えなければなりません.しかし両者とも,これまでは普遍的な正解を求めることに注意が向きすぎていました.
その結果,トレーニング科学は知識体系としては著しく発達しました.しかし,各人が現場で活用する「実践の学」という面では停滞しています.アスリートについていえば,自分で考えるべき個別性の部分も,科学が答えてくれるものと考える人が増えたように感じます.これでは科学が新興宗教のようになってしまいます.
このような背景を受けて本書を執筆しました.平均値的な正解の紹介は最小限にとどめ,実践現場の人が科学の考え方を活用しながら,自らの手で競技力向上を実行していけるように構成しました.特に,アスリートが本書を参考にしながら,現状の改善に取り組んで頂けたらこんな嬉しいことはありません.
体育・スポーツの分野で学ぶ大学生や専門学校生には,入門的な教科書かつ教養書となるようにも配慮しました.スポーツ分野に進みたいと考えている高校生やその保護者,スポーツやトレーニングの一般的な愛好者,そして研究者にも読んで頂ければと思います.
二つとはない自分の身体を,自身の手でよりよく変えるためのヒントとして,本書が役立つことを願っています.
2020年7月
山本 正嘉
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