2020年版 スポーツ栄養学最新理論

book0061

2020年版 スポーツ栄養学最新理論

(book0061)

編著者

寺田  新 東京大学 大学院総合文化研究科 准教授

著者

藤平 杏子 東京都健康長寿医療研究センター研究所 研究員
東田 一彦 滋賀県立大学 人間文化学部生活栄養学科 准教授
石橋  彩 国立スポーツ科学センター スポーツメディカルセンター 研究員
日本学術振興会 特別研究員(東京大学 大学院総合文化研究科)
加藤 弘之 味の素株式会社 食品研究所 主席研究員
川中健太郎 福岡大学 スポーツ科学部 教授
近藤 衣美 国立スポーツ科学センター スポーツメディカルセンター 研究員
近藤 早希 日本学術振興会 特別研究員(東京大学 大学院総合文化研究科)
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 協力研究員
松井  崇 筑波大学 体育系 助教
宮下 政司 早稲田大学 スポーツ科学学術院 准教授
元永 恵子 国立スポーツ科学センター スポーツ研究部 研究員
下山 寛之 筑波大学 体育系 助教
須永美歌子 日本体育大学 児童スポーツ教育学部 教授
吉野 昌恵 山梨学院大学 健康栄養学部 准教授

書籍データ

【発行日】 2020年
【ページ数】260
【図・写真】91

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はじめに

オリンピック・パラリンピックや世界選手権などでのメダル獲得のためには、選手の弛まぬ努力が必要なのはもちろんのこと、周囲のスタッフによるサポートも欠かすことができません。「栄養サポート」もそのような選手に対する重要なサポートの一つであり、その実践活動を支える学問分野である「スポーツ栄養学」に対する関心も高まっています。トップレベルの選手ではごく僅かな差で勝敗が決するため、スポーツ栄養士には、基本的な食事を整える手助けをすることに加えて、最新の知見・情報を取り入れてライバルに少しでも差をつけられるような栄養・食事サポートを行うことが求められます。本書では、スポーツ栄養に関する研究・論文報告を積極的に行っている日本人研究者の方々に、自身の研究成果も含めながら、世界のスポーツ栄養学における最新の知見について紹介・解説をしていただき、現場で活躍されているスポーツ栄養士の方々にその理論を広く知っていただくことを目的としています。

近年、スポーツ栄養学に対する興味関心が高まり、様々な書籍が出版されています。その多くが、スポーツ栄養学の基礎的な知識についての解説を目的として書かれていますが、本書は、そのような書籍とは一線を画した内容となっています。つまり、基本的な内容・知識を系統立てて説明したり、間違いのない確実な知識・理論を解説したりするのではなく、未だ可能性の段階にある手法も含めて最新・最先端の内容を中心に紹介する、というものになっています。したがって、スポーツ栄養学のすべての分野を網羅するというものではなく,この数年間で話題になっている・注目されている分野・手法に限定した内容となっています。この本の中で紹介されている新たな手法・理論を実際に現場で試してみたところ、素晴らしい成果が得られることもあれば、期待していたような成果が得られなかったということもあるかもしれません。そのような場合には、事例報告・症例報告として学会などで積極的に報告し、その情報を研究者と共有していただきたいと思っています。そのようにして、研究者とスポーツ栄養士との間で情報のやり取りが行われることで、その手法の改良や新たな手法の開発が進み、スポーツ栄養学が益々発展していくことになります。

上述したように、本書はスポーツ栄養学の「応用編」といった、やや難解な内容になりますので、初学者の方は、「エッセンシャル・スポーツ栄養学」(市村出版)などで基礎的な勉強をしてから、本書に進まれることをお勧めいたします。本書のタイトルに「2020年版」という言葉が入っていますが、これは、もし本書の内容が好評であれば、また次のオリンピック・パラリンピックイヤーに「2024年版」として内容を全面改訂したものを発刊したいという希望を持っているためです(残念ながら、東京オリンピック・パラリンピックは2021年に延期となってしまいましたが…)。改訂の際には、その時点でスポーツ栄養学研究の最前線にいる研究者に執筆をお願いする予定です。私を含めて、著者が大幅に入れ替わる可能性もあります。4年後も研究の最前線で活躍し、この本の執筆者となれるように、スポーツ選手の方々と同様に、研究者もお互いに切磋琢磨していきたいと思っています。

  2020.9.

編集者 寺田 新

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