体育・スポーツ史概論<改訂3版>

book0049

体育・スポーツ史概論<改訂3版>

(book0049)

体育・スポーツ・健康科学テキストブックシリーズ

編著者

木村 吉次(中京大学名誉教授)

著者

大熊 廣明 筑波大学大学院人間総合科学研究科教授
康 冬玲 中京大学体育研究所準研究員
真田 久 筑波大学大学院人間総合科学研究科教授
杉本 政繁 大阪体育大学教授
田原 淳子 国士舘大学体育学部教授
中房 敏朗 大阪体育大学体育学部准教授
山田 理恵 鹿屋体育大学体育学部教授
來田 享子 中京大学体育学部教授
渡辺 融 東京大学名誉教授
<五十音順>

書籍データ

【発行日】 2015年4月刊行

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改訂のことば

本書の初版は、2001 年9 月11 日に起きた同時テロの後で出版された。あれから14年半が経過した。しかし、今も世界の各地でさまざまなテロが続いている。そして、ウクライナの政府軍と親ロシア派が戦う東部紛争もなかなか収まらないし、またシリア・イラク両国にまたがって支配地域を拡大してきた「イスラム国」の活動は激しい戦闘を継続し、多くの地域住民を巻き添えにしている。後者は、ジャーナリスト後藤健二さんら2 人の日本人の人質事件に見られるような残忍な行為によって日本人に衝撃を与えるとともに世界中を震撼させ、恐怖をまき散らしている。こうした中東における混乱はどうして起こってきたのかが歴史的に問われる。
一方、隣国の中国・韓国との関係に目を向けた場合、日中間では尖閣諸島の領有権問題が起こってから、韓国との間では従軍慰安婦問題が深刻な政治問題化してから、ともに厳しい対立関係が続いている。この日中・日韓の間では、日本が戦前・戦中両国の人びとに対してどのようなことをしてきたのかの歴史認識の問題が大きく横たわっている。今年は第二次世界大戦終結から70 年目に当たる年で、それを記念する式典が各国で開催される。それによって否応なしに「過去」の大戦が想起され、さまざまに語られることが予想される。今年1月31日に東西ドイツ統一後の初代大統領となったワイゼッカーが亡くなった。氏は、戦後40年を機に連邦議会で演説したとき、「過去に目を閉ざす者は現在にも盲目になる」との有名な言葉を残した。氏が亡くなったことを報ずる日本の新聞やテレビは、あたかも現在の日本国民に「過去」と向き合うことを問いかけるかのようにこの言葉を一斉にとりあげていた。
体育・スポーツに関わって生きる私たちにとってもこの言葉は同じく重い言葉である。体育・スポーツは歴史的にどのように変遷してきたのか、そこでは体育・スポーツがどのような役割を果たしてきたのかが真剣に追求されなければならない。体育・スポーツの「過去」=歴史を深く知ることによってはじめて体育・スポーツの「現在」をよく知ることができるし、その上で私たちはようやく「明日」に向かってあらたな一歩を踏み出せるのである。
本書は、2010年に改訂を行ってから5年が経過した。その間に新たな出来事があり、研究にも多くの進展が見られた。そこで、今回それらに対応するとともに、今までの欠を補い一層内容の充実を図るため中房敏朗氏にも執筆者に加わっていただき三訂を施した。また、最近大学の授業改革が課題となっていて、従来のような教師による一方的な講義形式の授業を改め、学生と教師の対話方式や討議方式の授業に方向転換することが求められてきている。このため学生自身も事前に教科書・参考書などをよく読んで授業に出席することが必須になってきている。こうした事情も考慮して、本書は必要以上とも思えるぐらい多くの漢字に読み仮名をつけて読み易くし、学生諸君の予習に十分役立つように努めた。これによって体育・スポーツ史の授業に新しい展開が生まれることを期待したい。

編者 木村 吉次

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