スポーツイベントのマーケティング

book0022

スポーツイベントのマーケティング

(book0022)

編著者

間宮 聰夫(元・順天堂大学スポーツ健康科学部 教授)
野川 春夫(順天堂大学スポーツ健康科学部 学部長)

執筆者

石澤 伸弘(北翔大学生涯スポーツ学部 准教授)
伊地知 直亮((株)電通 スポーツ局サッカー事業室 国際プロジェクト推進部長)
太田 あや子(武蔵丘短期大学健康生活学科 准教授)
岡安 功(東京国際大学商学部 客員講師)
北出 康博((株)電通 メディア・コンテンツ・セクター新聞局地方部)
北村 尚浩(鹿屋体育大学生涯スポーツ実践センター 准教授)
工藤 康宏(神奈川大学人間科学部 准教授)
國本 明徳(大阪産業大学人間環境学部 講師)
久保 和之(龍谷大学社会学部 准教授)
榑谷 典洋((株)電通 メディア・コンテンツ・セクターMCプランニング局MCプロデュース室)
小林 樹青(財団法人東京都スポーツ文化事業団)
佐々木(宮崎)朋子(順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科 博士後期課程修了)
佐藤 由夫(日本自由時間スポーツ研究所、関西国際大学人間科学部 教授)
上代 圭子(順天堂大学スポーツ健康科学部 非常勤助教)
長ヶ原 誠(神戸大学大学院人間発達環境学研究科 准教授)
仲野 隆士(仙台大学体育学部 教授)
二宮 浩彰(同志社大学スポーツ健康科学部 教授)
濱口 博行((株)電通 スポーツ局サッカー事業室 エグゼクティブ・プロデューサー)
藤本 淳也(大阪体育大学体育学部 教授)
松本 耕二(広島経済大学経済学部 准教授)
渡辺 泰弘(順天堂大学スポーツ健康科学部 非常勤講師)
(50音順)

書籍データ

【発行日】 2010年10月刊行
【ISBN】 978-4-902109-22-1
【判型】 B5
【ページ数】 262
【図表】 116

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まえがき

本書は、日本のスポーツイベント・プロデューサーの草分け的存在であった間宮聰夫氏の遺稿である。氏は、1964年の東京オリンピックにより、スポーツが新しい「メディアスポーツ」として認知され、1966年のビートルズ来日による騒ぎを創ることに携わって以来、音楽イベントを筆頭に、1970年の大阪万博、各種スポーツイベントのテレビ番組のコンテンツ造りに携わってきた。広告会社「電通」の1プロデューサーという立場から、1993年順天堂大学体育学部から『メダルなき勝利者』となるスポーツイベントを運営する学生を育成するスポーツ健康科学部創設に際し、「スポーツマーケティング論」、「スポーツイベントの企画運営含む実習」、「スポーツビジネス論」を領域とする教授として招かれ、10余年に渡りイベント学の構築と学生指導に粉骨砕身してきた。
デジタル時代を迎え、メディア革新に伴いイベントの送り手は、行政(国、自治体)、企業(企業団体、広告主企業、マスコミ企業、スポーツ産業、スポーツクラブ、広告会社等)、興行主体(スポーツ競技団体、音楽、美術等文化催事主催者、施設等)など多岐にわたっている。同時に、エンドユーザーである受け手も、観客、視聴者、読者、消費者等、家計からの多額の出費を負担する生活者や、企業各社、メディア等あり、時には送り手も受け手になる複層的構造に変化している。したがって、これからのイベントの区分は、行政主導イベント(博覧会、フェスティバル)、コミュニティイベント(地域、地域振興、環境)、企業イベント(見本市、展示会)、ユニバーサルデザインイベント(福祉、少子化、高齢化対象)、コンベンションイベント、スポーツイベント、音楽・文化イベント、インターネットイベント等で捉え直さなければならない時期を迎えた。
本書は「スポーツイベントのマーケティング論」として、第1部「メディアスポーツ」の立場から、加えて「生涯スポーツ」を第2部として論ずるものである。第1部は間宮氏が書き貯めた著書・資料を中心に再構成し、不足分・内容のアップデートに関しては氏と交流の深い(株)電通の方々に文章をまとめて戴いた。どの方も執筆協力に快諾してくださり、ようやく脱稿に至った。間宮氏は、観戦型スポーツイベントを「見るスポーツ、魅せるスポーツ」として「メディアスポーツ」と定義し、定義通りメディアとの密接な関係を重視している。全3章で構成されているが、いずれの章も氏の思い入れが強いテーマを中心に編纂した。
第2部は、間宮氏が気になりながらも手をつけていなかった生涯スポーツのイベントマーケティングの事例集である。観戦型イベントとは対極にある参加型スポーツイベントを「生涯スポーツ」と定義し、若手と中堅のイベント研究者がさまざまなスポーツイベントを紹介している。従来のスポーツマーケティング分野では見落とされがちな対象イベントである。本書では、イベント参加者やスポンサーの継続率を高めるためのマーケティングミックスについても言及してもらった。
間宮氏が逝去されてから1年間半が過ぎ、「スポーツイベントで飯が喰える」プロデューサー養成が悲願であった故人の遺書とも言える著書の編纂にようやくこぎつけた。本書を通じてスポーツイベントのマーケティングに関心を高め、スポーツイベント現場で活用して戴ければ望外の喜びである。また、(社)日本イベント産業振興協会(JACE)が実施する「イベント業務管理者資格」、その予備資格でもある「イベント検定資格」に挑戦し、将来スポーツイベント・プロデューサーを目指す人材が増えてくれることを切に願っている。

平成21年8月吉日
共編者 野川 春夫

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