健康運動プログラムの基礎 ~陸上運動と水中運動からの科学的アプローチ~

book0015

健康運動プログラムの基礎 ~陸上運動と水中運動からの科学的アプローチ~

(book0015)

編著者

北川 薫

書籍データ

【発行日】 2005年6月13日
【判型】 B-5
【ページ数】 124
【図表】 73

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はじめに

本書は、運動を行うことにより健康の維持と増進を考えるための手がかりとなることを目的に書かれている。しかし、運動をすることが健康の枠にとどまるとは考えにくい。人間の向上心、好奇心といっても良いが、それはとどまることがないからだ。向上心も想像力や空想力の賜物であり、未知への探究心である。健康のために始めたジョギングが、雨が降ろうが槍が降ろうが走り続け健康を害することになるのも、人間の探究心がなせる業である。世にいう健康の概念とは程遠く、健康のための運動が心身ともに厳しい競い合いを強いられるスポーツ競技大会への出場につながるのも致し方ない。運動による健康の維持と増進を考える際、こうした展開を想定しておかなければならない。
さらに、運動による体力の向上の目的には、身体の肉体的可能性を引き出すこと、すなわち身体の適応能力を向上させること、がある。そのための唯一の条件は「過負荷」である。現代で日常生活を送るうえでは明らかに不必要な状況を設定し、それに適応させることが体力の向上、ということになる。この向上を追求するあまり、身体の破滅的状態を招くこともある。究極の身体適応能力の追求である。こうした観点からは、運動やスポーツが健康の維持と増進に直結するとは考えられない。つまり、健康は何か事をなすうえでの前提とはなりえても、人生の具体的な目的とはなりにくい抽象的な状態である。

2005年3月
編著者 北川 薫

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