序文
Ⅰ部 サクセスフル・エイジングと高齢者の体力評価との関わり
1章 日本の高齢化社会の現状と高齢者に対するヘルスプロモーション 佐藤 進・山次 俊介
1.日本社会の高齢化の実態
2.サクセスフル・エイジングが目指すもの
3.年齢段階に応じたヘルスプロモーションとサクセスフル・エイジング
4.高齢期における自立水準の多様化—活動体力水準と生活空間からみた高齢者の状態—
5.各年齢段階におけるヘルスプロモーションと体力評価の目的・考え方
(1)ヘルスプロモーションと身体機能の測定・評価における特異性
(2)体力(身体機能)の評価方法の特異性
2章 高齢者の捉え方ー高齢期にみられる種々の特徴ー 佐藤 進
1.年齢的な定義・区分
2.高齢期にみられるさまざまな“老化”
(1)身体的・生理的変化
(2)高齢者の体力の変化
(3)高齢者の抱える健康上の問題
3.高齢期におけるライフイベントとそれに対する個人的・社会的適応
3章 体力の概念と各年齢段階における特徴 山次 俊介・佐藤 進
1.体力とは
2.体力の加齢変化の特徴
(1)幼児期・児童期・青年期
(2)青年期・壮年期・中年期・高齢期
(3)高齢期における体力の変化
(4)年齢段階別の体力特性のまとめ
3.高齢期に必要な(重要視すべき)体力
(1)健康関連体力
(2)転倒関連体力
1)移動・移乗能力
2)転倒回避能力
(3)自立に必要な体力(運動器)
(4)自立水準の違いによる体力(行動体力)の特異性
1)身体的エリート高齢者の行動体力
2)日常生活自立・要介護・寝たきり高齢者の行動体力
(5)日常生活動作(ADL)能力と活動体力
4章 高齢者の体力評価の考え方 佐藤 進・山次 俊介
1.高齢者の体力水準による分類と体力テストの関係
2.自立水準(身体機能水準)に応じた体力測定項目
3.体力テストの目的と限界
(1)体力テストの目的・意義
(2)体力テストの限界
Ⅱ部 高齢者の身体機能の測定と評価
1章 筋力の測定と評価 山田 孝禎
1.筋力の測定の意義と種類
(1)筋力測定の意義
(2)筋力測定の種類
2.筋力測定評価の実際
(1)握 力
(2)膝関節伸展筋力
(3)最大歩幅テスト
(4)椅子立ち上がりテスト
(5)上体おこし
2章 柔軟性の測定と評価 宮口 和義
1.柔軟性の測定の意義と種類
(1)柔軟性測定の意義
(2)柔軟性測定の種類
2.柔軟性測定評価の実際
(1)バックスクラッチ(上肢柔軟性)
(2)長座体前屈
(3)シットアンドリーチ(椅座位体前屈)
(4)足関節柔軟性テスト
3章 全身持久力の測定と評価 池本 幸雄
1.全身持久力の測定の意義と種類
(1)全身持久力測定の意義
(2)全身持久力測定の種類
2.全身持久力測定評価の実際
(1)6分間歩行(6MWD: 6-minute walking distance)
(2)シャトル・スタミナ・ウォークテスト(SSTw:Shuttle Stamina Walking Test)
4章 調整力の測定と評価 野口 雄慶
1.平衡性の測定と評価
(1)平衡性測定の意義と種類
1)平衡性測定の意義
2)平衡性測定の種類
(2)平衡性測定評価の実際
1)開眼片足立ち
2)ファンクショナルリーチ
3)継ぎ足歩行
(3)足圧中心動揺検査
(4)指標追従ステップテスト
2.敏捷性の測定と評価
(1)敏捷性の測定の意義と種類
1)敏捷性測定の意義
2)敏捷性測定の種類
(2)敏捷性測定評価の実際
1)全身反応時間(跳躍反応時間)
2)単純および選択反応時間(光・音)
3)ステッピング
3.巧緻性の測定と評価
(1)巧緻性の測定の意義と種類
1)巧緻性測定の意義
2)巧緻性測定の種類
(2)巧緻性測定評価の実際
1)ペグ移動テスト
2)筋力発揮調整能テスト 長澤 吉則
5章 身体組成の測定と評価ー体脂肪,筋量,骨量ー 野口 雄慶
1.身体組成の測定の意義と種類
(1)身体組成測定の意義
(2)身体組成測定の種類
2.身体組成測定評価の実際
(1)生体電気インピーダンス(BIA)法(脂肪量・筋量)
(2)皮下脂肪厚法(キャリパー法)(脂肪量)
(3)QUS(Quantitative Ultrasound)法(骨量)
6章 バッテリテストー体力、身体活動力の総合評価ー 佐藤 敏郎
1.文部科学省「新体力テスト(65歳~79歳対象)」
(1)握力
(2)上体おこし
(3)長座体前屈
(4)開眼片足立ち
(5)10m障害物歩行
Ⅲ部 高齢者の生活活動力および転倒リスクの測定と評価
1章 活動力の測定と評価 辛 紹煕・杉浦 宏季
1.活動力測定の意義と種類
(1)活動力測定の意義
(2)活動力測定の種類
2.活動力測定評価の実際
(1)10m障害物歩行
(2)歩数計による身体活動量計測
(3)歩行速度
(4)Time Up & Go (TUG)テスト
(5)歩容分析
2章 生活活動動作(ADL)の測定と評価
1.生活活動動作の測定の意義と種類
(1)ADLの測定の意義
(2)ADL測定の種類
2.生活活動動作測定評価の実際
(1)都老研式活動能力指標
(2)文部科学省ADLテスト
3章 転倒リスクの測定と評価 横谷 智久・杉浦 宏季
1.転倒リスクの測定の意義と種類
(1)転倒リスク測定の意義
(2)転倒リスク測定の種類
2.転倒リスク測定評価の実際
(1)東京都健康長寿医療センター研究所「転倒リスクアセスメント表」
(2)転倒スコア
(3)出村の転倒リスクアセスメント
(4)閉じこもりアセスメント表
Ⅳ部 高齢者の精神的健康度の測定と評価 松浦 義昌
1章 生活の質(QOL)の測定と評価
1.QOLの測定の意義と種類
(1)QOL測定の意義
(2)QOL測定の種類
2.QOL測定評価の実際
(1)WHO/QOL-26(WHO/QOL短縮版)
(2)SF-36 (MOS Short-Form 36 Item Health Survey)
(3)EuroCol (ユーロコール:EQ-5D)
(4)生活満足度尺度(Life Satisfaction Index:LSI)
(5)PGCモラールスケール
2章 抑うつ度の測定と評価
1.抑うつ度の測定の意義と種類
(1)抑うつ度測定の意義
(2)抑うつ度測定の種類
2.抑うつ度測定評価の実際
(1)GDS-15 (Geriatric Depression Scale)
(2)CES-D (The Center of Epidemiologic Studies Depression Scale)
(3)SDS自己評価式抑うつ性尺度(Self-rating Depression Scale)
3章 認知機能の測定と評価
1.認知機能測定の意義と種類
(1)認知機能測定の意義
(2)認知機能測定の種類
2.認知機能測定評価の実際
(1)改訂長谷川式簡易知能評価スケールHDS-R)
(2)MMSE (Mini-Mental State Examination
(3)TMT (Trail Making Test)
(4) Montreal Cognitive Assessment 日本語版(MoCA-J)
4章 ストレスの測定と評価
1.ストレス測定の意義と種類
(1)ストレス測定の意義
(2)ストレス測定の種類
2.ストレス測定評価の実際
(1)日本語版HSCL(Hopkins Symptom Checklist)ストレス自己診断
(2)SACL日本語版J-SACL(Stress Arousal CheckList)による情動語によるストレス診断テスト
(3)高齢者の入院時不安の検討
(4)独居高齢者のストレスとQOLとの関係
(5)唾液アミラーゼモニターによるストレスの評価
Ⅴ部 高齢者体力における諸注意と結果のフィードバック
1章 高齢者の測定に際して理解しておくべきこと 石原 一成
1.測定項目の選定について
2.測定時の一般的注意事項
3.測定評価上の留意点
4.測定現場での注意事項
5.測定の実際(流れ)
(1)事前のチェックと説明
(2)準備運動
(3)測定
(4)整理運動
(5)測定結果のフィードバック
2章 高齢者の活動体力測定結果のフィードバック 山次 俊介
1.活動体力測定の有益性とフィードバック
2.活動体力測定結果のフィードバックの三大原則
3.わかりやすいフィードバックのための工夫
4.フィードバックの実際