本書を手にとられた皆様に 鈴木 恒彦
推薦文「子育てハンドブック~脳性まひ児とともに~」 児玉 和夫
第1章 医療知識の基礎を理解するために
1 養育支援をふまえた心構え 鈴木 恒彦
2 医学的側面のはなし 鈴木 恒彦
1.発見と診断
2.脳性まひのタイプ
3.運動障がいの治療
(1)身体の変形予防
(2)筋痙縮とジストニア
(3)逸脱行動
(4)合併症
3 病態からの家庭療育の実践 飯島 禎貴・鈴木 恒彦
第2章 子どもの発達状態を理解するために(基本的知識)
1 基本動作の発達・運動のはなし 出口 奈和・大住 亮介
1.粗大運動発達の基本要素
(1)重 力
(2)支持面
(3)運動発達と支持面の変化
2.定型運動発達
(1)背臥位の発達(新生児~6カ月)
(2)腹臥位の発達(新生児~6カ月)
(3)座位の発達(新生児~8カ月)
(4)立位の発達(新生児~12カ月)
(5)歩行の発達(8カ月~12カ月)
2 目と手の機能の発達 中島 るみ・米持 喬
1.目の使い方について
(1)見ることの発達
(2)目の動き
(3)中心視と周辺視
(4)視知覚
(5)障がいのある子どもの見る力の支援
2.手の使い方について
(1)身体活動の中の手の機能
(2)姿勢コントロールと手の発達
(3)手で物を扱うこと
(4)障がいのある子どもの手の使い方
(手の機能に影響する要素について)
(5)手の使い方を促す支援
3.見ることと手の使い方の発達
(1)目と手の協調
(2)障がいのある子どもの目と手の協調の支援
(3)遊び
(4)適切な玩具を選ぶ
3 食べることについて
1.かみかみごっくん(摂食嚥下)の仕組み 押川 龍太・山本 典子・下平 花菜
(1)摂食機能の仕組み
(2)脳性まひの子どもの食べることの難しさ
(3)支援方法の実際
(4)介助方法
(5)実際の食事姿勢
(6)実際の食具の工夫
(7)栄養(経管,補助食品,体重)
(8)食事場面のリスク管理
2.食具の種類と使用 中島 るみ・木村 基
(1)日本の食文化:日本における食具の歴史と環境
(2)どうして子どもにあった食器が必要か
(3)スプーン
(4)フォーク
(5)箸
(6)スプーン,フォーク,箸の操作にむけて
(7)お皿,器
4 ことばとコミュニケーションの発達 濵田 浩子
1.ことばの発達の道筋
2.姿勢保持や運動が難しい子どもへの支援
(1)声の出し方
(2)練習方法
5 社会性を育てる 杉原 康子
1.社会性の出発は「こころの安全基地」から
2.子どもの社会性
3.大人ができること
4.お母さんたちの「こころの安全基地」
5.お子さんの応援チームを作る
第3章 生活支援の実践(日常の育児での扱い方)
1 抱っこ 須貝 京子・長田 絵美
1.子どもの身体が安定しやすい抱き方
(1)子どもの身体の特徴に応じた抱っこのポイントを知る
2.伸展が優位で反り返りやすい子ども(年少~年長)
(1)抱っこ姿勢
(2)抱っこで移動する
3.屈曲優位の緊張の子ども
4.緊張の低い子ども
5.介助する大人の体の使い方と便利な道具
(1)ちょい楽バンド(まるいラボ)
(2)ウエストポーチ型ヒップシート
2 眠ること 長田 絵美・須貝 京子
1.子どもの睡眠の特徴を知る
2.睡眠環境を整える
(1)適切な温度,湿度などの環境
(2)適切な寝具
3.姿勢を整える
(1)筋緊張を緩和させる姿勢
(2)筋緊張が低い子どもが安定しやすい姿勢
(3)呼吸を楽にする姿勢
(4)多様な睡眠姿勢
4.医学的治療
3 排泄・トイレのこと 髙橋 睦・阪口 和代
1.排尿・排便のメカニズム
(1)排尿のメカニズム
(2)排便のメカニズム
(3)排便の出やすいタイミングと姿勢
(4)便秘体操
(5)オムツを替える姿勢と配慮点
2.おまるや補助便座
3.トイレットトレーニングの開始に向けて
4 入 浴 錦織 忍・米持 喬
1.乳幼児期
(1)入浴の仕方
(2)浴室内の工夫
2.幼児期~学童期
(1)介助での入浴
(2)自立に向けた入浴
3.コミュニケーション・学習の場
コラム 入浴の効果 錦織 忍
5 着替え 飛地 洋美
1.更衣の特徴
(1)発達の視点で考える:
はじめはだれでも全介助
(2)更衣に必要な機能
(3)着ることと脱ぐことの獲得
2.伸展して反り返る傾向がある幼児
3.座ると股関節の屈曲が不十分で,
背中が丸まって縮まってしまう子ども
4.不随意運動とトーンの変動を伴う乳幼児
(アテトーゼ型脳性まひ)
5.中等度の緊張をもつ子ども
(1)袖に腕を出し入れする
(2)靴と靴下
6.重度障害児の衣服の着脱
7.一般的な問題 解決方法
(1)初期の協力
(2)子どもに自力で着脱を促す方法
(3)努力に対する援助:どの時期に・
どのような援助を・どの順序で行うか
6 移 動 河中 誉真
1.這い這い器
2.三輪車(体幹支持機能付き)
3.手押し車
4.座面,体幹支持機能付き歩行器
(1)SRC(spontaneous reaction control)
ウォーカーまたはスーパーウォーカー
(2)UFOウォーカー
5.手支持を伴う歩行器
(1)PCW(postural control walker)
(2)Rolator二輪歩行器
6.手つなぎ歩行
7.クラッチ
7 ポジショニング(体位設定) 田井 宏冶・曲 洋子
1.ポジショニングとは
2.ポジショニングの目的
(1)リラックスする
(2)変形・拘縮や非対称の悪化を防ぐ
(3)呼吸・消化機能を助ける
(4)姿勢の安定感と動きやすさ
(5)痛みや床ずれ(褥瘡)を予防する
(6)多様な感覚経験
3.床上体位の特徴
(1)背臥位(あおむけ)
(2)腹臥位(はらばい)
(3)側臥位
(4)座位(おすわり)
4.ポジショニングのポイント
5.ポジショニングの実際
(1)背臥位
(2)側臥位
(3)腹臥位
(4)前もたれ座位
8 重い障がいのある子どもにとって遊びとは 平原 珠美
1.自由に身体を動かせない子どもたちの遊びへのヒント
2.重度な障がいのある子どもの遊びへのヒント
9 遊び(集団への参加) 水野 里佳
1.集団への参加のはじまり
2.遊びをどうとらえるか
3.集団遊びあれこれ
(1)生活リズムを整える
(2)全身を使う活動(おもに運動遊び)
(3)手を使う活動(おもに感触遊び・製作)
(4)見る活動
(5)人との関係性を築いていく活動
10 器具(装具) 馬場新太郎
1.プローンボード
2.車椅子・バギー
(1)バギー(手押し式車椅子)
(2)車椅子(駆動式)
3.座位保持椅子のカーシート
4.座位保持装置
5.短下肢装具(AFO)
6.股関節外転装具
11 自助具 関口 佑
1.自助具とは
2.自助具の選定と導入
3.活動の補助となる自助具
(1)食事場面
(2)学校での授業場面
(3)コミュニケーション
(4)身近な生活場面での工夫
12 脊柱変形と新しい体感装具について 梶浦 一郎
1.新しい考えによる体幹装具の開発
2.プレーリーの構造
3.プレーリーの使用・目的
(1)乳幼児期(1~5歳)
(2)学童期(6~15歳)
(3)成人(16歳以上)
4.プレーリーを使用した介助者の感想,満足度のアンケート調査
5.側弯の強さに対する効果
6.症 例
(1)脳性麻痺,3歳,女
(2)脳性麻痺,18歳,男
(3)脳性麻痺,39歳,女
第4章 家庭支援(チームアプローチ)のこと
1 在宅移行支援 近藤 正子・須貝 京子
1.ステップ1:在宅生活の検討・決定
2.ステップ2:心構え(準備)
(1)姿勢設定
(2)口腔ケア
(3)入 浴
(4)医療的ケア
(5)子どもの全身像について
(6)社会資源の情報
3.ステップ3:外出・外泊
4.ステップ4:退院準備
(1)退院前カンファレンス
5.ステップ5:退院
6.ステップ6:在宅生活開始
2 訪問看護・リハビリテーションの特徴 河中真由美
1.対 象
2.支援内容
(1)医療的ケアの支援
(2)療育(生活および育児)支援
3.在宅でのリハビリテーション
4.実際の訪問の支援内容
(1)さまざまな姿勢変換と排痰補助装置
(カフアシストなど)を使う場合
(2)入浴支援の場合
(3)専用歩行器や座位保持装置を持っている場合
(4)食事の支援
(5)特別支援学校の訪問学級の授業への支援
3 子育て支援・家庭支援:児童発達支援について
木村 智香・阪口 和代
1.児童発達支援とは何か
(1)対象児童
(2)サービス内容
(3)事業の担い手(支援者)
2.児童発達支援の利用方法
3.児童発達支援の具体的内容
(1)基本理念
(2)対 象
(3)目 的
4.保 育
(1)保育スケジュール
(2)イベント,講座など
5.児童発達支援利用の具体例
(1)Kくん
(2)Yくん
(3)Hくん
4 社会資源の利用ガイド 近藤 正子
1.医療費の助成
2.障害者手帳の交付
3.各種手当等
4.補装具・日常生活用具の給付等
5.日常生活の支援
6.医療支援
付録1 身体の名称・おもな筋肉の名前と働き 彦田 龍兵
付録2 からだの運動について 彦田 龍兵
付録3 腰痛・肩こり・首こり体操 彦田 龍兵
用語集
あとがき 船戸 正久